一般社団法人大和青年会議所

大和JCは20歳から40歳までの メンバーで活動している団体です。
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2020年度 理事長所信

第41代理事長 北島 隆太郎

【はじめに】

 1949年東京の地に日本で最初の青年会議所である東京青年会議所が設立され、後の1951年「個人の修練、社会への奉仕、世界との友情」をスローガンに日本青年会議所が設立されました。この大和の地にも、1979年に全国で652番目の青年会議所として現在の一般社団法人大和青年会議所が「明るい豊かな街づくり」を目指し設立され、今日まで先輩諸兄の熱い想いと信念によって歴史と伝統が積み重ねられて参りました。

 現在日本は先進国の仲間入りをはたし物質的な豊かさは手に入れたとは言えますが、時代の流れとともに様々な問題を抱えております。少子高齢化、所得格差、自殺問題など数えればきりがないのが現状です。

 これもひとえに「自分さえよければそれでいい」といった利己的な考えが蔓延し未来の日本を想う心が欠如しているからではないでしょうか。しかしながら、こういったものの要因に現代社会が抱える国民の心の余裕が社会問題によって阻害されていることがあげられると考えます。

 我々はJAYCEEPRIDEをもって地域課題に取り組み地域から必要とされる団体でなければなりません。

【新入会員と共に】

 2020年度は半数以上が新入会員で構成されることとなります。皆、とてもやる気に満ち溢れており現役会員の大きな刺激になっております。この多くの新入会員の資質向上は大和青年会議所の組織力の向上に大きく寄与することは言うまでもありません。

 青年会議所での運動は仕事ではありません。誰かのために何かをする、そこに修練がありその修練を乗り越えることで必ず友情がうまれます。自身の行いが必ず姿かたちを変えて自身に返ってくる。それを原体験できるのが青年会議所であります。

 そんな経験を新入会員にしていただくために私自身様々な機会の提供を与え続けるべく努力いたします。

【強固な絆で結ばれた組織の確率】

 2020年度は現役会員の平均年齢約は35歳、女性の割合約14%。全国の会員会議所の中では女性割合が多く見えますが2020年度は3名の女性会員が卒業を予定しております。大和青年会議所にいたっても圧倒的に女性と若い世代が少ないのが現状です。そこでこの圧倒的に少ない世代及び女性の会員拡大に力を入れていきたいと考えます。若い世代および女性が数多く組織に関わることにより我々の行う運動に対しても若い柔軟な思考や女性目線の思考が加わり必ず組織に変化を起こすこととなる事は明白です。

 我々青年会議所会員はJAYCEEとしてリーダーとしての資質と、圧倒的主体者意識をもった能動者としての自覚を持たなければなりません。この資質は、メンバー、各地会員会議所会員、関係他団体と意見を交わしながら仲間と共に事業を構築し検証する、これをしっかりと繰り返していくことで積み上げられていきます。しかしながら、JC運動には対価は伴わず多くの時間を消費します。我々の組織には家庭を持ち育児を行うもの、地域運営の役割をもつもの、会社を経営するもの、会社に所属するもの等様々です。誰かのために何かをするといった時間を作る事が困難なメンバーも多くいるなか有効な時間の使い方とともに協力し全員が主体者意識をもって取り組む姿勢が必要不可欠です。青年会議所にはそういった資質を手に入れられる数多くの機会があります。LOMで行われる運動による仲間との自己研鑽はもちろんの事、出向という手段以外にもこの組織には神奈川、日本、国際アカデミーを筆頭に参加することで初めてわかる機会の提供が用意されています。こういった機会を率先して利用していきたいと考えております。

 様々な仲間と共に積んだ修練は必ずメンバーを成長させ大和JCの組織力へと大きく貢献するでしょう。そしてそのメンバーが起こす運動は必ず地域へインパクトを起こし地域から求められる団体となると私は信じています。

【地域事業について】

 時代も変わり今では地域で街づくり、人づくり等を行う団体が青年会議所しかない時代からNPO法人など各種団体の出現により青年会議所もある時代になりました。青年会議所は、単年度制、40歳での卒業、リーダーも毎年変わるというルールがあるために、数多くのカテゴリーに対しプロの集団ではございません。これからは青年会議所もある時代から青年会議所と共にやる時代へと変化をしていく必要があります。

 青年会議所がエビデンスをもって地域課題を見つけニーズを探り、その結果を基にプロの団体とパートナーシップを構築し地域事業、推進運動、提言を行うことで新たな価値を創造し地域や市民に対してインパクトを与えることができると考えます。

 我々の住み暮らすこの大和は現在総人口約2,400万人の都市であり市制施依頼増加を続けている都市であり、外国人市民も約6,600人と多く年々増加を続けている国際都市であります。また、高齢者も約56,000人と総人口の約23%となっております。以上のことから大和市は多種多様、様々な世代が共に暮らす地域であるため、人々はそれぞれの立場からの視点のみならず互いの相互理解と共助の関係を構築する必要があります。子供が住みやすいまち、高齢者が住みやすいまち、外国人市民の住みやすいまち等それぞれが日々の生活を有意義に希望をもって暮らせるまちづくりを推進してまいります。

 また、昨今頻発している2019年の台風15号や19号等の災害について青年会議所として何ができるかを考えることが多くありました。青年会議所では直接インフラ整備をするのは難しいかもしれません。しかしながら、地域と友に防災、減災について考えながら大和に住み暮らす多種多様な人々のニーズを捉え、個人や企業、団体の行うことのできる取り組みを浮き彫りにすることは可能であると考えます。そうすることで産官学民にて行う防災、減災の役割を明確にし、行政に対して地域としてしっかりと提言をしていく、そんな運動展開を行います。災害に強い大和を創造することで、有事の際その余力を持ち一つのモデルとして他の地域への貢献にもつなげて行きたい、そう考えております。

 様々な運動を通して大和青年会議所が地域から必要とされる持続可能な団体となるには、地域市民が大和青年会議所の存在をひとことで説明できるようにするべくブランディングが必要です。インターネットが発達し情報発信をするためのコンテンツが多くある今、その様々なツールを吟味しその時々で最適な方法で適切に情報発信をする必要があります。しかしながら誰でも簡単にSNS等を自由に使うことができる現在、それは諸刃の剣でもあることは言うまでもありません。大和青年会議所では情報発信についてもルールを厳格に定め情報発信を行っていきます。

 2020年度は東京2020オリンピックパラリンピック競技大会の開催により世界から日本が注目され、多くの外国人が日本を訪れます。併せて我々の組織のある神奈川県の横浜の地で2020年JCI世界会議が開催されます。このまたとないタイミングをしっかりと活用し大和青年会議所の存在や大和の魅力を発信していくことで大和のブランディングの確立に務めます。

【時代を捉えた厳格な組織運営】

 古き良きは残し、新しき良きは率先して取り入れる。大和青年会議所は2020年で創立42周年を迎えます。志高き先輩諸兄によりJAYCEEとして厳格な組織運営の元メンバー一人ひとりが全力でJC運動を展開して参りました。そんな厳格な組織運営も現在ではその厳格さも薄れつつあるように想います。今一度原点に立ち戻り、古き良き部分を取り戻し組織運営をメンバー一丸となって取り戻しながら、Web会議等の様々なコンテンツに溢れるツールを率先して取り入れて行くことで円滑で迅速な組織運営を確立致します。メンバー全員が同じ目標のもと共通の認識を持ち全てを自分事として活動を全力で行える組織運営を行うことで組織内の活性化、相乗効果につなげます。

 また、私たちの活動、運動のための財源は、メンバーからの年会費や登録料等の内部資金、メンバー以外からの登録料や寄付金などの外部資金から成り立っております。一般社団法人としてこの貴重な資金の運用を、費用対効果をしっかりと調査し厳格かつ透明性を持って運用して参ります。

【SDGsについて】

 2015年9月に開発途上国の貧困・教育・健康・環境などを改善するための8つのゴールと21のターゲットを掲げるミレニアム開発目標「MDGs」の後継として持続可能な開発目標「SDGs」が国連サミットで採択されました。これは、17のゴールと169のターゲットで構成されており2030年までの国際目標であります。公益社団法人日本青年会議所でも2019年に国内で最大のSDGs推進民間団体を掲げ2019年1月の京都会議では、外務省と「持続可能な開発目標(SDGs)推進におけるタイアップ宣言」に署名をしており、7月のサマーコンファレンス2019ではSDGsのさらなる推進に取り組んでいくことを表明するSDGs推進パートナーシップ宣言(通称:SDGs横浜宣言2019)が採択されました。

 大和青年会議所でも、このSDGsの推進をしていく必要があることは言うまでもありません。しっかりとしたエビデンスをもって地域課題を解決し持続可能な街づくり運動を展開してまいります。

【結びに】

 人は自身の持つポテンシャル100%以上の力を発揮する時はどの様な時でしょうか。誰かのために、家族のために、仲間のために何かをする。そんな時こそ120%の力を発揮できるのではないでしょうか。そしてそれは何時か姿形を変えて己に戻ってくる。そんなことを私に教えてくれたのは青年会議所でした。

 私は、2013年に青年会議所の門を叩き入会し、今日まで私は、数多くの仲間との出逢い、その仲間との様々な経験をすることで多くの感動を青年会議所は与えてくれています。仲間と共に見返りを求めず地域のため、地域に住み暮らす人のために切磋琢磨してきたその事実は私の宝であります。

 2020年度も仲間と共に、住み暮らす「大和」の発展のために邁進させていただきたい。メンバー一人ひとりが地域課題の全てに対しJAYCEEとしてオーナーシップを持ち、誰もが大和の未来を想い持続発展する大和を私と創造していきましょう。